「ロバート・キャパ展」と「ラーゲリより愛をこめて」
平和だなと、毎年春になると感じます。

今年もキレイな桜が見れて、新社会人っぽいフレッシュなスーツ姿の人を眺めてると、前向きで温かい気持ちになります。
子育てに追われるようになってから、読書や映画鑑賞の機会が減ってましたが、子供たちも大きくなり(姉は中2・弟は小4)、生活に少し余裕が出来てきたので、昔のように色んなカルチャーに触れられるようになってきました。
東京都写真美術館
恵比寿ガーデンプレイスには、東京都写真美術館🔗 という有名な美術館があります。
駅から入ると、右側。メインのタワーのエレベーターホールには入らずに、右端の美術館用の通路を抜けると辿り着けます。

今は「ロバート・キャパ」 という写真家・ジャーナリストの写真展をやっています。※5/11まで

戦地に赴いて、そこで暮らしを追われてしまった難民や、破壊された街などをフィルムカメラで撮り、国に帰って現像して社会に戦争の虚しさを伝えていました。
時には従軍して激しい戦場で兵士たちを撮影しています。

館内では撮影できませんでしたが、通路にはノルマンディ上陸作戦の緊迫感溢れるモノクロの写真が貼られていました。
画質が荒かったり、中にはピントがブレている物もあります。
でも、命を懸けて写真で世界に平和の大切さを訴えかけたロバート・キャパの想いが伝わってくる写真ばかりでした。
扱うテーマが[戦争]なので、気持ちの負荷がかかる展示ではありますが、中身はとても濃いので、興味がある方には開催中に是非とも足を運んで頂きたいです。
そして、家ではこんな映画を観ました。
結論から先に言うと「素晴らしい作品」です。
事実を基にしたノンフィクション小説を二宮和也さん主演で3年くらい前に映画化した作品
[ラーゲリより愛をこめて]

太平洋戦争で日本が敗戦した後のゴタゴタに乗じて、ソ連に60万人近い日本人が抑留されて、最長で11年間も収容所に入れられて過酷な強制労働に従事させられた「シベリア抑留」の悲しい歴史の犠牲になった人たちのお話です。

ソ連復興に利用されて、劣悪な環境で強制労働をさせられた…というのは歴史で勉強はしたけれど、ドラマになって映像にするとその衝撃は大きくて、胸が苦しくなる内容でした。

原作の小説は「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」というタイトルで、この時点でもうネタバレしてますが、主役の二宮くん演じる山本さんは、この収容所に送られて10年後に亡くなってしまいます。
事実だけを見ると絶望しか無いのですが、一緒に支え合ってきた仲間や、先に日本に帰った家族との絆のドラマは感動的で、すごく良いお話になっています。

奥さんの北川景子さんや、仲間の松坂桃李さん、元上司の安田顕さんの演技にも痺れました。
この映画は上映期間中には観ることが出来ませんでした。
でも、心の中に「観ないといけないなぁ」と引っ掛かったものがあったのですね。
内容が重くて観る覚悟が持てない状況でしたが、ずっと観るべきという義務感を持っていたのは、自分の祖父もこのシベリア抑留の犠牲者だったからです。

祖父が20代の頃の写真です📸
旭川で生まれ育ってから満州へ移り住み、戦時中は補給部隊の小さな分隊の隊長をしていたそうです。

中央の後列で日本刀を持っている祖父
温和で優しいお爺ちゃんというイメージしかなかった祖父ですが、そんな人も人を殺せる武器を持たないといけなかった時代があったというのは恐ろしいです。
「ラーゲリより愛をこめて」で描かれた真冬のシベリアでの強制労働のシーンは、自分の想像の及ばない過酷な描写でした。
祖父も似たような環境下で生き延びて、そして自分の父を埼玉で産み育ててくれたのだと思うと、言葉にできない感情がこみ上げてきます。
戦争映画はちょっと苦手…という方も多いとは思いますが、とても素晴らしい作品なので、皆さんにも観て頂きたいです。
※U-NEXTとAmazon Primeでご視聴可能です


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