似合わせカットって何ですか?と聞かれる件について
1000円カットと7000円カットの違い
安い所・高い所 いくらのカットが高いのかは人それぞれです。
N.Y.の有名サロンで働く知人は、カットだけで$250(27000円くらい)を取っていて、これにTAX(税金)とチップ(スタイリスト・アシスタント・クローク)が付くので、髪を切るだけでも3万円以上は予算が必要になるのですが、それでも富裕層の多いN.Y.ではそれなりに沢山の顧客様が来てくれるみたいです。
だから週4日の勤務でけっこう優雅な暮らしをしています☆
1000円カットや業務委託系サロンの2200円カットの存在は、私たちにとっても無視は出来ない存在ですが、そういう安売り競争に巻き込まれないためにも価値のある技術とサービスを提供したいと思っています。
1000円カットはオーダーされたことを持ち時間10分の中で「効率よくこなす」ことで成り立っています。QBハウスの社長さんがこのビジネスモデルを成功させるために先ず取り掛かったのが、お客様の期待値を下げることだったそうです。
1000円カットならこんなものでしょう○
過度な期待はクレームを生む。だから1000円ならこれくらい。このくらいのもので良ければ1000円でサービスを提供します。という枠組みを見込み客の脳内に埋め込んでいきました。だから10分で切れるし、限られたカットパターンでも要望に応えられるわけです。
それで1時間に5~6名切れば、カット5000円以上の稼働率になるという仕組み。カット椅子の下がゴミ箱になっていて、そこに切った髪を捨てるとストップウォッチがカウントされて、何分で仕上げたのかが記録されるシステムもあります。
髪をカットしてその人を素敵にする
そういう発想は10分で切るサービスには重要視されてません。逆に言うと、私たちの仕事はそこに価値を生んでプライスを作っています。
だから似合うように切る。扱いやすいように切る。トレンドを学んで、その人に上手く当てはめる。もっとこうした方が良い・次はこうしましょう・こんなのも似合いますよという提案をする・切るだけじゃなくパーマやカラーと連動させる。顔立ちだけでなく骨格や髪質や肌質も見て似合うバランスを考えて切る。髪の艶や動きや質感を調整しながら切る・・・etc
ざっと挙げただけでもこれだけのことを考えながら、私たちは日々カットをしています。
だから似合わせカットで小顔カットなのです
勢いのあるイケイケ若手スタイリストはSNSの発信で「僕にしかできない!」「僕に任せてください!」「絶対に可愛くします!!」と言ってますが、そういう言ったもん勝ちなのはあまり好きではありません・・・。が、言葉で伝えていかないと大切なもの・大切にしていることが伝わらないことも多いので、似合わせカットという名前も最近は使うようになりました。
彼女の髪を3年くらいずっと切っているのですが、長くしたり短くしたり、レイヤー入れたりボブにしたり、色々とその時々の気分を形にしていってます。
今回は耳に掛けたいということで、インスタで急上昇中ワードでもある #耳掛けショート なるものにしてみました。
毛質は真っすぐで硬め。密度がしっかりあるから切りっ放しはまとまりにくいです。なので、ドライカットで毛先まで柔らかく馴染むように調整して、ベースのフォルムを崩さないように気を付けながら、軽くてフィット感のあるショートスタイルに仕上げました。
ご自宅でも綺麗に上手くまとまることが「再現性」
美容院をキレイな髪で出て、その時の仕上がりが特別なのはとても大切だけど、家に帰ってから数日後に自分でそれを再現できないとダメですよね。
美容院の仕上がりが120で、自宅でのヘアセットが100になるように、ベースカットは的確に。毛質・毛流・毛量に合った素材対応をしっかりとして、セルフスタイリングのアドバイスと、ヘアケア製品でのバックアップをバランスよくすることで、お客様の明日の美が保証されます。
そういう再現性があるヘアスタイルを私たちの商品として提供していきます。
1000円カットは別物。私たちがやっているヘアデザインという仕事の価値を認めてくださるお客様に、特別な仕事をしていきたいですね。