セルフカラーで色ムラになる理由
#STAYHOME
お家時間が長くじっとしていても、特にアクティブな生活をしていなくても髪は伸びます。
そうなると気になるのが根元のカラーされていない新生部
白髪の方は特に気なって仕方ないと思います(-_-;)
髪をキレイにすることで、前向きになれる。髪の事を気にしないで集中すべきことに気持ちを向けられる。溜まっていたストレスを解消できる。
そういうお客様の声を戴くことで、私たちもこの難しい状況でも頑張ろう!という気持ちになれています。
でも、
実際に美容院に足を運べるという方は限定されてしまいますよね。
悲しいですが、命が一番最優先ですから仕方がない。
美容院に行くまでのつなぎでセルフカラーにチャレンジ!
そう思ってドラッグストアで買ってみたという方が増えるのは自然な流れです。
そしていざ!染めてやるぞ
パッケージを見ながら洗面所やお風呂でやってみたものの・・・ムラ染まりしてしまって後悔😨
当然ながらセルフカラーにはこのリスクが付きまといます。
逆の見方をすれば、セルフカラーでの失敗の原因というのは、私たち美容師がこだわって提供している技術のベーシックな部分ということになります💡
今回の記事ではムラ染まりになるポイントを3つに絞ってお伝えしたいと思います。
① 塗布量 ② 温度 ③ 塗る順番
この3項目は、美容学校(2~3年)を卒業して現場に立った新米美容師アシスタントの基礎カラー研修で、最初に教える項目になります。
ざっくり行きます!簡潔に♪
① 塗布量
カラーの薬剤を塗った部分が染まるのは当たり前(笑)
でも、平均して10万本も髪の毛が生えているので、均一に塗るのがとても難しいんです。
薬が多い所はよく染まり、少ない所は浅く弱く染まります✓
キレイに丁寧にコーミングしたり、ハケで根元に過剰に薬が溜まってしまわないように調整しながら塗らないと色ムラが出来てしまいます。
セルフカラーで染める時も、均一に薬剤が付くように気を配ることが必要なんですね。
② 温度
カラー剤は1剤と2剤を混ぜて、酸化重合という「化学反応」の力で発色して染まります。
なので、この反応が温度の影響を受けます。
温度が高い⇒反応が早い/強い/良い
温度が低い⇒反応が遅い/弱い/悪い
ということです。
均一に薬剤塗布が出来たとしても、温度の高低があると・・・温度の高い所がより早く発色するので、そこで色ムラが生まれます。
特に気を付けたいのは根元に近い部分(約2cm)
体温の影響を受けるので、根元から2cmくらいは明るくなりやすいです。
逆に表面の部分はエアコンや外気によって冷えたりもするので、約15~20分の放置時間中の髪の毛の温度管理も気を付けないといけません。
③ 塗る順番
カツラって自然に見えるのはかなり高級品です。
ナチュラルに見える髪色は、根元から毛先に向けて1~2レベルくらい徐々にグラデーションで明るくなっている髪です。
そして、カラー剤には「明るくすること」と「色味を入れること」という2つの役割があるので、そこから仕上がりを考慮して、塗る量と放置時間を計算するのですが、
当然、先に塗ったところが放置時間が長くなります。
根元から塗る??毛先から塗る??根元2cm空けて中間から塗る??
その仕上がりに応じた塗る順番というのがあるのです。
塗りやすい所からペタペタと塗るだけでは、色ムラは防ぐことが出来ないんですね。
他にも髪質が部位ごとに違ったり、髪の状態に合わせた調整も考えて塗っているのですが、自然なヘアカラーを作るのも
実は一筋縄ではいかないことが多いのです。
最近は薬剤の進化で、サロンカラーの設計が良くなって、混ぜたり塗り分けたりを複雑に必要が少なくなったカラー剤もメーカーさんが開発していますが、パーソナルに似合わせたカラーや、より色持ちがよくでダメージレスなカラーを実現するためには「塗る技術」どうしても必要とするのがヘアカラーです。
こんな感じの世の中になってしまいましたが、こういう状況だからこそ美容室の技術の価値を感じて頂けるように、こだわって磨いて、そして発信していきたいと思います。