『ガザの美容室🎬』 こんな時だからこそ観る映画なのかも…
劇場公開時には行くかどうか迷って、そうこうしている内に上映終了になった映画
《ガザの美容室》
2015年に作られて、日本では2018年に劇場で公開された映画です。
このご時世だからこそ、観ておいた方がいいかもと思って鑑賞しました。
パレスチナ自治区・ガザの中にある美容室のワンシチュエーションで、美容師とお店に訪れた女性客の会話が中心の、84分の短い作品。
治安が悪くて物資が不足しているガザでも、女性たちにとって美容室は欠かせない場所です。
それぞれ色んな目的があって美容室に足を運んでいますが、そんな美容室の日常が内戦で緊張状態に😨
🕊「平和な日常」を象徴している美容室🕊
サロンワークをしている扉の向こうで突如、銃声が鳴り響き、人の命が奪われていく…
決して広くはない美容室の中で軟禁状態になる女性たち。
そんな状況下でも美容師はその手を止めず、客もまたあーだこーだ言いながらもキレイになることを諦めない。
争いごとの対極として描かれた美容室での時間を、癖のある登場人物の会話を通して感じるストーリーです。
ロシア系移民の美容室オーナー(超マイペースで鋼のメンタル)と、そこで働く女性スタイリスト(美人だけど彼氏がマフィアのダメンズ)、この二人はすごい美人なんですけど、
とにかく仕事が遅い(^^;)
この電話をしているのが雇われている美容師さんで、電話の相手は別れ話をしているマフィアの彼氏。
振り返って彼女を見てる気の強そうな女性客に「早くしろ!」と何度もキレられながらも、動じないでワックス脱毛をしている最中でも着信には応えてますw (出るんかい!!)
東京の美容師の感覚とはかけ離れているので、お客様を待たせている時間を気にしないスタンスに冷や冷や(もしくはハラハラ)しながら見てしまうのですが、
マイペースにやっていくのが海外のスタンダードなのかもしれないですね(;’∀’)
監督は双子のタルザン&アラブ・ナサールという人で、二人はガザで生まれ育っています。
監督は男性的な目線に偏っていて、女性客の話題が男性問題ばかりで、ちょっとバランスの悪さも感じるのですが、ガザのリアルな情景が描かれていると思います。
負傷軍人の夫の薬を乱用してジャンキーになった女性や、夫との離婚調停最中に弁護士との逢瀬に夢中になっている気の強いマダム、敬虔なイスラム教徒でヒジャブを美容室の中でも取らない人もいれば、臨月の妊婦も来ていて、
女性客たちの会話を通してガザ地区の人たちの貧しい生活や、物資や電力供給がままならない状況、ハマスの圧政への反発心などが垣間見ることが出来ます。
ガザにもウクライナにも美容室はあります。
戦争状態でも営業を続けているサロンがきっとあると思います。
恵比寿は今日も平和です。
銃声が聞こえることはありません。
そんな当たり前な日常の中で働けることに感謝しないですね。
「ガザの美容室」は楽しい映画ではありません。
エンタメしてないです。
でも、映画を通して知ることの出来る世界があるので、この機会に皆様にも紹介したいと思いBlogに書かせていただきました。
こんなご時世なので、パレスチナの問題に興味がある方は是非、80分間のこの映画をご覧になってみて下さい。
追記
ちょうど3年前、ムービースクープというサイトの「現役美容師が選ぶ! 美容室や美容師がテーマの映画6選」という記事で映画の紹介記事を書かせて頂いてました。
そこでも「ガザの美容室」を紹介していますので、良かったらご覧ください。